セラピストの日常

リラクゼーションサロンで働く、一セラピストの雑文です。

リラクゼーション業界の実は(12)<スクールと現場のギャップ>

いつもブログをお読みいただき、誠にありがとうございます^ ^
さて今回は、スクールで習うことと現場でのギャップについて書きたいと思います。

現在ではリラクゼーション向けのスクールやセミナーなどが大変たくさん開講されています。
特にアロマやボディケア、リフレクソロジー、タイ古式のスクールはたくさんありますね。
通われてる方も多いと思います。
また、私も10年ほど前にアロマのスクールに通っていましたし、現在でも在籍しています。
しかしスクールで習うスキル・知識と、現場で必要とされるスキル・知識には違いがあります。

スクールで習うことは?
多くのスクールで開講されているコース内容は
・アロマのスクールでは、精油についての知識、基本的なアロマトリートメントの手技
・ボディケアなどのスクールでは、手技、おおまかな身体の話

がほとんどです。
共通して言えることは、「本当に基礎中の基礎」のみを教えることが多いです。
(トータルで専門的な知識を教えてくれる場合は、大変高額な費用になったり、追加料金がかかったり、通う期間が長くなったりします。)
また、多くの場合が、表面的な知識を教えることが多く、踏み込んだ専門的な知識や、個別の事例に対応したことを教えてくれることはあまりありません。
どちらかというと、民間資格の試験のための講座であったり、コースであったりすることが多いです。
(アロマ関連の民間資格(アロマセラピスト、アロマインストラクター、アロマコーディネーターなど)は、受験資格として認定スクールでの決められたコースの受講が含まれていますので、それに見合ったコースになっていることが多いです。)
しかし基本というのは何においても重要です。
通って無駄、勉強しても無駄、ということはありません。

まだ何も知らない方や興味がある方にとっては、とても有意義な内容、時間になると思います。
ただし、スクールに通ったことがあって、長年現場で活躍された方にとっては、「資格を取りたい」「他のジャンルのトリートメントも知りたい」などの思いがある場合以外は、再度スクールに行くことにあまり大きな意味はないかもしれません。

現場で求められることは?
一方で、現場で求められるのは、「店舗それぞれの技術、手技・接客共に個別の事例に対応できること、それなりの知識」です。
実は、スクール出身の方が最初につまずいてしまうのは、これなんです。
もちろんスクールやコース内容によっては、精油の知識や身体の知識、応用の手技などを教えてくれることもあります。
しかしそれが全てお店側に求められているか、実践できるか、といえばそうではありません。
(もちろんスクールで習ったことが全て必要ないわけではありませんし、実践できないわけではありません。)
お店それぞれで手技が決められている場合もあり、その場合はお店の手技を一から覚えなければなりません。
手技がマニュアル化されているお店では、お店が認めた手技以外は使ってはいけないところもあります。
また、実務経験がない場合だと、スクールで習った手技だけでは対応できないこともあります。
(例えば、スクールで60分でこなす手技のみを習っている場合は、それ以上のロングコースになると手技が足りず、時間を持て余すことにあります。)
他には、お客様のそれぞれの主訴(肩が痛い、腰が痛いなど)の特定のお疲れや、お客様の好み(強め、弱めなど)に対応できないこともあります。
(これはスクール出身の方だけではなく、初心者の方も同じですね。)

他にも、「スクールでは精油の知識をとてもよく学んだから、お客様にもその知識を活かして対応したい」と思っていても、お店側がそれを望んでいない場合も多くあります。
(それほどアロマコースを重視していない、あまりアロマのことがわからない、効率化のため使う精油が限られている、など)
また、スクールでは施術における禁忌事項や、してはいけないことを教えてくれるのですが、
強くしてはいけないと学んだ箇所でもお客様に「強くしてくれ」と言われたら強くしなければいけなかったり、禁忌事項をしっかり設けていないお店では、お断りできず施術しなければならないこともあります。
私は未だにいつもこれに悩んでいます(^^;;
接客業、サービス業ですのでお客様に喜んでいただくことが一番だとは思います。
しかし、お身体に触れるということを考えると、お客様、セラピスト双方の安全を考えなければならないのも事実です。
スクールで習う施術の前提や基本的な知識はとても重要です。
ただ、お店側の要望であったり、お客様にご理解いただけない場合、納得いただけない場合も多く、とても悩ましいです。

ギャップをなくすには?
かといって、スクールで習うことが完全に無駄、というわけではありません。
施術をする上で、お客様のお身体に触れる上で、大変重要なことを教えてくれます。

知っておいて損はないです!
しかしギャップがあることも現実です。
スクールに通われている方で今後現場で活躍されたい方や、スクールに通うことを視野に入れられている方は、ギャップがあることを必ず頭にいれておいてください。
そして、スクールで習ったことだけが全てとは思わずに、色んな考え方、色んな手技を吸収していくことをおすすめします。
多くの方が、初めての現場でスクールで習ったことだけが正しい!と思われている場合が多いです。
そうなると様々な場面に直面し、柔軟になれず挫折してしまう、疑問に思ってしまう、ということが多いです。
スクールで習うことは重要なこともありますが、スクール自体でもそれぞれで考え方、捉え方が違います。
世界には大変たくさんマッサージがあります!それぞれでアプローチの仕方は全然違います。
そして身体に関する考え方も様々ですし、医学の研究でも日々新たな発見がなされています!
そのような様々な考え方、手技などを知ることで、施術・接客の幅が広がります。

少しでも多くスクールで習ったことを活かし、なおかつ現場に柔軟に対応できるセラピストになるためには、経験と継続した勉強が必要です。
現場しか知らないのもダメですし、基礎だけ、理論だけでも対応できません。
たくさん経験をし、色々な観点から勉強をする。
ギャップをなくすにはこれが一番だと思います^^

月と六ペンス
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